ゴルフウエアの優雅なるマイノリティ <ロトゥセ vol.1>

ゴルフシューズはグローバルなスポーツブランドや専門メーカーのものというのが、ゴルフショップの店頭ではあたり前の風景。そこにスポーツとは縁遠いドレスシューズブランドが加わることはなかなか想像しにくい。今回紹介するロトゥセはドレスシューズの世界では確固たる地位を築いてはいるものの、ゴルフシューズの出自としては異色の存在だ。

とはいえ日本はもとよりヨーロッパ、アシアを中心に、すでに世界16カ国で愛用されているのは、その製品が多くのゴルファーの心を捉えはじめている結果ともいえる。この個性的なゴルフシューズの横顔を、ロトゥセのゴルフシューズの輸入元であるFDRの下遠野正さんに聞いてみた。

Q ロトゥセというブランドの生い立ちを教えてください

A ロトゥセは今から140年ほど前に、スペインのマヨルカ島で誕生した、シューズを中心としたレザーアイテムのブランドです。今回はゴルフシューズを取り上げますが、ゴルフシューズを手がけはじめたのは2011年から。それまではドレスシューズをずっと作ってきました。ビジネスシーンではかれるような革靴というと、思い浮かべるのはイギリスやイタリアかと思いますが、実はスペイン、というかマヨルカ島も、ハイグレードなドレスシューズの産地として広く知られています。その礎を築いたのはこのロトゥセなのです。

 

Q なぜスペイン・マヨルカ島で優れた靴が作られるようになったのでしょうか?

A ブランドの創業に携わったアントニオ・フルシャは、当時から靴づくりの中心地であったイギリスに渡りました。そこで現代もドレスシューズで多く用いられるグッドイヤーウェルト製法(アッパー、中底、コバをすくい編みする製法、アッパー周囲のコバの張り出しが大きめで、ソールを縫いつけるステッチが目立つ)を学び、その技術をマヨルカ島に持ち帰ったのです。マヨルカ島に伝わった本場の技術は、その後多くの職人の手によって継承され、その品質は本場とも肩を並べるまでになりました。今でもグッドイヤーウェルト製法で作られるシューズはロトゥセの顔でもあり、現状、日本では取り扱っていませんが、ゴルフシューズでもこの技法で作られるモデルがラインナップされています。

 

Q ロトゥセのシューズが評価される理由とは?

A 現在の社長であるファンアントニオ・フルシャは4代目になりますが、シューズを手がける職人さんも同じように4代続いている感覚です。伝統的なモノ作りから生まれる高いクオリティやそれを生み出す情熱はしつかりと引き継がれています。実はロトゥセはイギリス軍用の靴を長く生産してきました。その理由はもちろん高い品質にあるのですが、それを作り出す技術を、職人さんが代々しっかりと継承できているからではないでしょうか。

あとは木型がいいと思います。ゴルフシューズも含めて、どんなシーンではくのかをイメージして、木型にしっかりと変化をつけています。たとえばたくさん歩いて、足がむくんでしまうであろうことを想定しているかのように。木型それぞれに実に細やかな配慮がされていますね。

Q そんなロトゥセはどうしてゴルフシューズを作りはじめたのでしょうか?

A マヨルカ島は地中海に浮かぶ、世界的に有名なリゾートアイランドです。そのため高級リゾートらしくゴルフコースも数多く存在します。そこでゴルフシューズのニーズが生まれるのは至極当然な流れではないでしょうか。そして確かな技術をもち、トータルレザーブランドらしく素材も豊富に持ち合わせているロトゥセの手にかかるわけです。生まれるゴルフシューズはクラシックなドレスシューズ風ばかりでなく、リゾート感覚にあふれた“地中海風”までそのバリエーションも豊富に揃っています。リゾートステイにふさわしい1足を見つけだせるようになっているのです。

次回は今シーズン、ロトゥセのゴルフシューズの中心となる、メルキュールラインを取り上げながら、その特徴を詳しく紹介していく。

 

下遠野正/1996~2007年、服飾副資材会社にてゴルフ、サーフアパレルに携わる。2007年に独立。ゴルフ、アウトドア、ワークアパレルを手がけ、現在FDR取締役として、ロトゥセをはじめ海外ブランド輸入の交渉を担当。

ロトゥセ(FDR) tel:0120-000-813