ゴルフウエアの優雅なる先駆者 <ムニタルプ vol.1>

一定のドレスコードがあるとはいえ、スポーツウエアの中で、ゴルフで身に着ける服は自由度もあり、選択肢も多い。プレーに適した機能性をもち合わせていれば、ゴルフウエアの可能性はもっと広がるはずなのだが、実際にはそれを実感できる段階までにはまだ到達していない。今回紹介するムニタルプは、洗練されたオリジナリティから生まれる独自の個性を放ち、クチュールやジャパンクリエーションといった、ゴルフウエアを語る上ではあまり耳慣れない言葉をコンセプトに加えている。

新たな視点からゴルフウエアをとらえるムニタルプの背景と魅力を、ブランドを手がけるグリップインターナショナルの代表取締役社長 桑田隆晴さんに尋ねてみた。

Q ムニタルプを立ち上げようと考えたきっかけは?

A 私たちの会社では自社、そして海外のゴルフウエアブランドを数多く手がけています。その中の主要ブランドである、ヒールクリークの新たな展開として、無彩色でありながら、スペシャルな素材の組み合わせを生かすことで、華やかさを演出するという方向性を模索していました。ゴルフウエアに求められるラグジュアリー感をより洗練されたカタチで表してみたかった。そこでこのムニタルプの前身であるヒールクリーク プラチナムを送り出しました。幸いにしてその個性を受け入れてくれるゴルファーが増えてきたことで、ヒールクリークというメジャーブランドから独立して、2017年にムニタルプが誕生しました。

ちなみにムニタルプとは英語のPLATINUM(白金の意味)を逆から並べて発音したもの。PL ATINUMがイメージする高貴な輝きを映し出す鏡、すなわち光り輝くゴルファーを映し出し、支えるためのウエアという意味が込められています。

Q コンセプトとしてゴルフクチュールという言葉が使われていますが、具体的にどのようなことでしょうか?

ムニタルプのデザイン画

A ファッションの世界でクチュールとは、仕立て屋さんとか注文服屋さんのことを指します。既製服とは異なり、上質で、オリジナリティをもち、ソフィスティケートされたゴルフウエアを目指す姿勢を、その言葉で代弁しました。

たとえば素材でもその企画から参画し、技術やコストから量産が厳しいと思われるものまで採用して、それらの素材を組み合わせてウエアを作り上げることで、ウエアのオリジナリティと希少価値を高めています。お気に入りの1着としてゴルフワードローブに残り続けられる、愛着をもって着続けてもらえるものになってほしいのです。ですからゴルフウエアではあまり例がないのですが、シーズン終わりのセールなども行わず、ウエア自身のクオリティだけでなく、ブランドとしての価値を高めることにも努力しています。

Q 従来のゴルフウエアから何を変えようとしているのでしょうか?

Aゴルフウエアの主流はやはりアスリート感のあるスポーティなデザインと、非日常という言葉に置き換えられるデイリーウエアよりも華やかなカラーリングにポイントが置かれています。ムニタルプは当然、コーディネート提案も積極的に行いますが、無彩色のウエアならではの魅力を知ってほしいと考えています。無彩色であるがゆえに、その組み合わせは無限大であり、袖を通すゴルファーの感性次第で、私たちのコーディネート提案を超えて着こなしはどんどん広がっていくはずです。

Q ムニタルプがジャパンクリエーションにこだわりをもつのはなぜでしょうか?

A ゴルフウエアというカテゴリーがもっとも確立しているのは日本だと思います。少し大げさかもしれませんが、ゴルフウエアは日本の文化の一部であり、世界中のゴルファーに愛されるようになる可能性を秘めていると信じています。そのために素材を作る段階から、わざわざ古くから日本で使われてきた伝統的な織り機を用いたりして、世界を視野に入れる以上、日本を感じ取ってもらえる要素を大切にしています。

Q ブランドディレクターとして、グラフィックアーティストの北川一成さんを起用していますが?

左がブランドディレクターの北川一成さん、右がデザイナーの草野實千江さん

A 北川一成さんは国際グラフィック連盟の会員であり、日本を代表するグラフィックアーティストです。経営資源としてのデザインのありかたを提案して、地域の中小企業から世界的なラグジュアリーブランドまで、幅広くブランディングを手がけてきました。

ブランドを立ち上げるとき、マーケティングがブランドの方向性を左右して、これまで売れたものや、売りやすいものを作りたがる傾向があります。ですがムニタルプはデザイナーである、草野實千江さんが創造するゴルフの世界をありのまま提案していきたいという気持ちがありました。デザイナーの草野實千江さんのよき理解者であり、ムニタルプをカタチにするためにブランドディレクターとして参画してもらっています。

Q 実際にウエアをカタチにするにあたり、北川さんからのリクエストは?

A ムニタルプのロゴやマークは北川さんに製作を依頼しました。彼はそのロゴやマークをバランスよくウエアにはめこんでほしいというリクエストがありました。できあがったウエアには北川さん自身のイメージを越えるようなアレンジもあり、これからも素晴らしいパートナーになってくれるでしょう。ムニタルプに出会うゴルファーが想像できないレベルの新たなクリエ-ションの提案をしていけると思います。

次回は春夏のラインアップを取り上げながら、さらにムニタルプの世界を詳しく紹介していく。

 

桑田隆晴/大手アパレル勤務を経て、2001年、グリップインターナショナルを設立。現在代表取締役社長を務める。オリジナルブランドやインポート、ライセンスなど8つのゴルフウエアを手がけ、日本のゴルフファッションをリードする。

ムニタルプ(グリップインターナショナル) tel:03-6408-8686