ゴルフウエアの傑出したマイノリティー<エコー vol.1>

見慣れたゴルフブランドやスポーツブランド系のゴルフシューズのように、わかりやすいスポーティさをアピールするわけではなく、ショップのシューズコーナーの中央で幅を利かせるわけではないが、エコーのゴルフシューズには独特な存在感がある。

エコーの名前はゴルフシューズだけでなく、歩きやすいコンフォートシューズのパイオニアとしても世界的に知られている。しかも機能性を重視する北欧生まれ。ゴルフシューズとしては異色の出自をもつエコーの横顔を、エコー・ジャパンの宮入史恵さんに聞いてみた。

Q ハイクオリティなゴルフシューズをイメージするエコーですが、ゴルフシューズ以外でも、その名前を聞いたことがある気がしますが?

A ゴルフシューズはエコーにとって大切なカテゴリーな のですが、ブランドとしてはメンズ、レディスを問わず、カジュアル、ビジネス、スポーツ、アウトドア、そしてキッズにいたるまで、年齢やライフスタイルにしばられない、さまざまなシューズを発信しています。ゆりかごから墓場まで、エコーが足元を受けもつといった感覚ですね。今やグローバルなシューズブランドとして、世界90カ国で展開し、15,000を超える店舗でエコーのシューズは取り扱われています。

Q それだけ多様なシューズを手がけている中で、もちろんゴルフも含めて、エコーのシューズが共有するコンセプトがあるとしたら?

創業者のカール・ツースビー

A エコーは1963年、デンマークで生まれました。創業者だったカール・ツースビーが目指したのは、その当時あたり前と思われていた、足を靴に合わせるという概念からの脱却でした。Foot firstと呼びますが、「靴は足に合わせて作られるべき」というポリシーが、すべてのシューズに共通するエコーらしさではないでしょうか。

これが、足をいれたとき、歩くときに実感する、驚くほどのはき心地のよさにつながっています。ですからエコーの名前が世界に広がるきっかけとなったのが、今、歩きやすさで人気を集めるコンフォートシューズであったことも、ゴルフシューズでその歩きやすさが賞賛されることも、こうしたいきさつを考えれば、当然のことだったのかもしれません。

Q ではこうしたシューズを作り続け、世界中から評価されてきた秘密はどこにあるのでしょうか?

A ゴルフシューズに限らず、いわゆるメジャーなシューズメーカーはその作業が外注・分業化されています。ところがエコーの場合、ゴルフシューズはもちろんのこと、すべてのシューズに用いられる革のなめしから、独自のソールの製作を含めて、シューズを作り上げるすべての工程を自社工場で一括管理をしています。これは最高のはき心地を目指す上で、エコーがたどり着いた結論です。ここまで徹底したゴルフシューズはほかにはないと思います。

エコーのデンマーク本社にある足型彫刻「THE FOOT」。足のことを考えるポリシーの表れ

そしてエコーの工場でなめし加工されたレザーが、世界中の多くの名だたるブランドで使われていることは、優れた技術力、クオリティの高さを物語っています。これはゴルフシューズではないのですが、レザーでは難しいとされるインディゴ染め、透明のレザー、気温が一定の高さに達すると発色が変わるレザー、鉄の約15倍の強度をもつといわれる素材をレザーと融合させる技術など、まさにレザーのエキスパートという顔ももっています。ですからゴルフシューズに用いられるヤクに代表されるレザーにも優れた加工が施されています。

Q エコーならではのはき心地は最高の素材から生まれるわけですか?

A いいえ、それだけではありません。50年以上受け継がれてきたクラフトマンシップと、それを発展させたテクノロジーが欠かせません。その最たるものがフルイドフォルムと呼ばれる一体成型によるシューズの製造です。これはエコーを代表する技術で、ゴルフシューズにもしっかりと応用されています。

フルイドフォルムは糸や接着剤を使うことなく、ソールとアッパーを一体化させるもの。ソールを形成するための鋳型の中に、ラストがはいったアッパー部分を設置。枠のサイドに開いた穴から、それぞれのシューズに合わせて調合されたポリウレタンを吹き込むことでソールを成型し、同時にアッパーを圧着していく製法です。

フルイドフォルムの工程。シューズに合わせて多くの鋳型が用意されている

ステッチや接着用のボンドを使わないことでシューズの軽量化、さらにはがれにくい耐久性が飛躍的に高まりました。また解剖学的見地から作られた、足裏のカーブにそったソールが、そのまま足裏に触れる構造のため、インソールの力を借りずとも、快適なはき心地を実感できるのです。一体成型で作られるシューズはほかにもありますが、これまでのノウハウを生かし、自社工場で量産できるのは、エコーの最もユニークな特徴です。

 Q そして満を持してエコーはゴルフシューズに乗り出すことになったのですね?

A エコーでは1996年に最初のゴルフシューズを発表しました。デンマークは小さな国ですから、日本のゴルフ人口には遠く及びませんが、スポーツやアウトドアを愛する北欧気質があります。ですからゴルフを楽しむ人の割合は少なくありません。創業者のカール・ツースビーも、その娘婿で前CEOでもありデザイナーでもあるディータ・カプチャーも大のゴルフ好きでした。これだけはき心地にこだわって靴を作ってきた彼らにとって、その当時のゴルフシューズはとても満足できるものではありませんでした。そこでエコーらしいゴルフシューズを製作することになったのです。

宮入さんはエコーを称して、笑いながら“靴作りのオタク”ですと語る。そこまでにこだわりをもったゴルフシューズの特徴を、次回はうかがう。

 

宮入史恵/エコー・ジャパン株式会社 マーケティング部長。エコー・ジャパン立ち上げと同時に入社。ゴルフシューズはもちろん、プレミアムなコンフオートシューズとしての、エコーのブランディングに携わる。またエコーを愛用するプロゴルファ-たちとの窓口も務める。

問エコー・ジャパン カスタマーサービス tel:0120-974-010 http://jp.ecco.com/