ベストスコアを支えてくれる仕事人/ゴルフ場支配人

メンバーでなければ、もちろん顔も名前を知らず、おそらく出迎え、見送りのときに玄関で挨拶してくれるブレザーを着ている方。それがコース支配人のイメージでは。日中はコースでプレーする私たちは知らない支配人さんのお仕事とは?

三井支配人は温厚なジェントルマン

お話を聞かせてくれたのは千代田カントリークラブ支配人の三井茂さん(55歳)。大学卒業後、外食産業に入社。その後28歳でゴルフ業界へ転身。2007年にPGMに入社。いくつかのコースの支配人を務め、2017年から現職に就く。

普段のスケジュールは、最初の組がスタートする1時間前には出社。クラブハウス内外をくまなくチェック。玄関前でのお出迎えは最低1時間以上。そのあと、朝礼、営業ミーティングをこなし、昼食。午後は再びクラブハウス内の巡回。細かなところまで目を配り、その都度、スタッフと話し合いをもつ。午後のお見送りも1時間以上。そのあとはコースをまわり、自分の目で状態をチェック。夕方はスタート表などを確認しながら翌日の準備。詰まらずにまわれるように配慮して、スタート時間の変更を勧めることもある。そして18時が退社の目安だ。

そんな日常では思いもつかいない日もある。

やはりコースにとって一番の悩みはみずからの努力ではどうにもならない天候。千代田カントリークラブでは、降雪や台風などによるコースのクローズが年間5日くらいあるそうだ。クローズの判断は前日であれば、翌日の荒天が予想され、予約が2~3組の場合。当日早朝から降雪が激しい場合などという。

三井支配人が冷や汗をかいた朝は昨冬のこと。その日は前日にも雪が降る天気予報は出ていなかったので、いつも通りにコースに向かった。するとコースに向かう途中から激しい雪が降り出して、みるみるうちに雪が積もってきた。クラブハウスには、すでに30組がチェックインしている状況、これはマズい・・・。急に降り出した雪だけに、当然ラウンドできると思っているお客様からの「クローズするのか? 早く判断してくれ」という声も聞こえてくる。

このままお客様を待たせておくわけにはいかない、早くジャッジしなくては。その段階で天気予報では、午後には天候が回復するらしい。なんとかスタートできるか。けれどこれだけ雪が積もれば、まずボールは捜せないし、もっと怖いのはカートが雪で事故を起こす危険性がある。今日はセルフでまわすわけにはいかない、全組にキャディをつけてスタートするしかない。ところが想定外の状況、あらかじめスタンバイしているキャディが5~6名も足りない。一刻も早く判断しなくてはならないところに難問が立ちふさがる。

支配人はすぐに近くのセゴビアゴルフクラブ イン チヨダに連絡をとった。なんとかキャディをこちらにまわしてもらうことはできないか? 向こうもてんてこ舞いのはずだったのだが、思いがけない返事が。セゴビアはクローズとなり、キャディをすぐに手配してくれるとのこと。これでひと安心、支配人は胸をなでおろした。この日はクローズすることなく、予定より約2時間後から全員スタートできた。10時30分くらいには雪は上がり、午後から晴れてラウンドは無事終了。

支配人が躊躇している姿はお客様にも、スタッフにも見せられない。三井支配人はハードな朝を無事に切り抜けた。私たちがスコアに一喜一憂しているゴルフの一日を、陰から支えてくれている仕事がある。

 

千代田カントリークラブ/杉本英世設計による東・中・西コースの27ホール。コースの高低差が3mというフラットな林間コース。四季が織り成す自然に彩られたコースは美しく、戦略性にあふれる。PGMが保有、運営するゴルフ場の中で、日本を代表する威厳と品位を備えたハイグレードなゴルフ場として厳選されたGRAND PGMのひとつ。●茨城県かすみがうら市上佐谷877-6 TEL.0299-59-3030