– GLENMORANGIE’S WAY – CHAPTER 02

自然と向き合いながら生まれる最高のコースとウイスキー

株式会社クラシック コース管理責任者 大江康彦さん

大江さん

五感にもとづく観察から先端技術の応用まで

大学卒業後にこの道に入り、今や日本を代表するグリーンキーパーである大江康彦さんの目から見ると、「あの転がりはグリーンの傾斜ですよね。日本の腕利きのグリーンキーパーが仕上げたら、もっと止まらなくなると思いますよ」かつて11年にわたりアメリカで研鑽を重ねた彼は、もちろんオーガスタも訪れている。理事会へ何通もレターを送り、さらに現地での知り合いをたどり、ようやくボランティアとして、クローズドされていたコースのメンテナンスに携わることができたという。オーガスタに限らず、アメリカでの経験が本当の意味でのグリーンキーパーとしての成長につながったと大江はいう。グリーンキーパーというと長年の経験を生かして芝を仕上げる職人気質なイメージを思い浮かべるが、現在、9人のグリーンキーパーたちを束ねて、コースメンテナンスを手がける大江の仕事はコース上だけに留まらない。インターネットを駆使して天候の情報を集め、日々の作業をパソコン上にきっちりと記録することで、この先誰が作業を担当することになっても、必要な情報が得られるシステムを構築する。さらには乾燥や寒さに強い芝を見つけるための芝の遺伝子分析や、土壌の化学的な分析を専門家に依頼し、検討する。ときには東北で津波に被災した農家に足を運び、水をかぶった農地の再生法を聞き、メンテナンスのヒントを求めたりもするという。「日本的な農業の延長線上にいたのがかつての日本のグリーンキーパーだったのに、アメリカではターフビジネスの中にいるんです。
考え方がまったく違う。経験とデータと理論をもとに、すべてが合理的に進められる」かつての駆け出し時代、ゴルフ場の縦社会の中に組み込まれ、コース内に入ることもできず、作業の意味すらわからぬまま日々を過ごした大江にとって、意欲があれば何でもやらせてもらえる、そして同時に、なにゆえにその作業が必要なのかを、理論的に学ぶことができたアメリカの環境は魅力的だった。この間に、カジュアルなパブリックから超高級なメンバーコースまで210ものコースを訪ねたという。「日本とアメリカでは事情が異なりますが、向こうではグリーンキーパーは経営者のひとり。権限が強いんです。雨になったりすると、キーパーが首をたてに振らない限り予約がどれだけ入っていても、コースはクローズドになります。ただしその分、コストを削減するために従業員はすぐに帰宅させることも忘れません。しっかりとお金の入りと出まで考えているんです」

経験と勘によるメンテナンスだけでなく、理論を踏まえて、多角的に収集した情報を作業に生かし、さらにはゴルフ場全体のマネージメントにも責任を負う。今、大江が目指すグリーンキーパー像だ。通常なら今は、多くのゴルファーが訪れるゴールデンウィークあたりにピークがくるように仕上げる時期だが、現在の大江はオープンを控えた東京クラシッククラブのコース整備に余念がない。もちろん日々の営業に備えても、細心のメンテナンスが求められるのだが、彼らにとって、その実力をもっとも発揮する最高の舞台となるのが、プロのトーナメントだ。大江も数多くの経験をもつ。「1か月も前から準備をはじめて、トーナメントの初日にはどれだけいい感じに仕上がっても、期間中に雨が降ったら、グリーンはおしまい。水をまくのは簡単ですが、雨になればすべてを流してしまいます。雨で柔らかくなったグリーンは、いくら踏んでも元には戻りません。だからそんなとき、テレビなどで、今年のグリーンは柔らかいとかいわれているのを耳にするは本当につらいですね。どれだけ苦労するのか知っているからこそ、自分が携わらないトーナメントでも雨が降ってもらいたくないなと思いますよ」これまで培ってきた大江のさまざまなノウハウを駆使しても、いざトーナメント当日に雨が降ってしまっては太刀打ちできない。こんな人間の力ではあらがえないものと、正面から向き合いながらも、常に最高を目指す大江の仕事はグレンモーレンジィのモノ作りにも相通じるストイックさがある。完璧すぎるウイスキー、グレンモーレンジィを支えてきたのは、長年培ってきた技術やテクノロジーだけではない。ベースとなるターロギーの泉から湧き出るミネラル豊かな硬水も、芳醇な香りを生み出す原木から選び抜かれたデザイナーカスクも、すべて自然からの賜りもの。さらに発酵から熟成にいたるまでのベストな環境への配慮など、常にありのままの自然と折り合いをつけながら、その力を味方にすることが求められてきた。人間の力で完璧にマネージメントできないものを抱えながらも、その力によって最高の味を見出し、さらにそのクオリティを保ち続ける。グレンモーレンジィが長年守り続けてきた作業は、大江がグリーンキーパーとして日々感じる醍醐味や苦悩とオーバーラップするのではないか。グリーンキーパーの仕事は終わりのないエンドレスなものだという。そのたゆみない繰り返しが、大江の言葉を借りれば、“鳥肌が立つようなコース”を生み出す。グレンモーレンジィを語る上で欠かせない“完璧すぎる”という称号は、すなわち大江のいう“鳥肌が立つような”と同義なのではと思えてくる。こうして今宵もグレンモーレンジィを口にすると、今まで感じたことがなかった深みのある味わいに気づくに違いない。

GLENMORANGIE vol2メイン

若いグリーンキーパーたちをディレクトしながらも、常に現場にも立つ。データや理論の重要性を認識しながらも、実際の観察は欠かせない重要な作業。芝生をカップカッターで割って、持ち上げると、下に白い根が見つかる。陽気はまだ肌寒いが土の中は暖かいので、すでに芝生が動き出しているのに気づくという。真摯に自然と向き合う姿勢は、グラスに注がれた「グレンモーレンジィ18年」も変わらない。富士山グラス¥5,000(江戸硝子)問マースプランニング tel:03-3352-8525

【DE TRAVEL】満腹 メルボルン!③

ライトに楽しめる、本気&モダンなグルメ空間②

JARDIN TAN

メルボルン生まれのカリスマ・フレンチシェフ、シャノン・ベネットが手がけたベトナム料理を提供するカフェレストラン。

p61 Jardin Tan上左室内

1842年に造園された英国式庭園『王立植物園』の中という贅沢なロケーションの中、ハーブ畑を眺めながら、鳥のさえずりを聞きつつヘルシーな料理で和むことができる。都会の中とは思えない、豊かな緑に囲まれた和みの空間だが、ギャラリーのようなモダンデザイン。

p61 Jardin Tan上右料理

p61 Jardin Tan上右ジュース

ジュースは「イエロー」や「グリーン」と色表示となっていて、どれも新鮮な素材を生絞り。

JARDIN TAN

オープンは9時(土曜・日曜は8時)から16時まで。

Royal Botanic Gardens Birdwood AvenueSouth Yarra VIC 3141tel: +61 3 9021 2111

 

次なるお店は、、、

料理も空間もモダンな『ナンバー8・バイ・ジョン・ローソン』

p61 Number 8 室内

街のランドマークである、カジノ、ホテル、有名ブランドのブティック、レストランが集まる『クラウン・エンターテインメント・コンプレックス』に位置し、目の前はヤラ・
リバー沿いの遊歩道。ショッピングの後、夕暮れ時に散策しつつぶらりと訪れることができる。カウンター席もあり、ワインバーのようにちょっと立ち寄るのもOK。海外滞在においては、このように本格的な食事ながら軽めに堪能できるのは嬉しい限り。

料理は見た目も洗練されており、ライトテーストが基本。本格的な食事を気軽に楽しむことが出来る。

NUMBER 8 BY JOHN LAWSON

こちらもフリンダースストリート駅から徒歩圏。ランチは12時から15時まで。ディナーは18時から22時(金曜・土曜は17時30分~22時30分)。

Ground Floor, Crown Entertainment Complex 8 Whiteman St Southbank VIC 3006 tel: +61 3 9292 7899

【DE TRAVEL】満腹 メルボルン!②

ライトに楽しめる、本気&モダンなグルメ空間①

CUMULUS UP.

Melbourne Editorial - Paul Philipson

Melbourne Editorial – Paul Philipson

メルボルンの大きな楽しみの一つが、洗練されたグルメ体験。モダンなスポットが数多く揃い、空間やコンセプトだけでなく、味のクオリティも高い。
『CUMULUS UP.』)はレベルの高いワインが豊富に揃ったワインバー。古いビルをリノベートした空間はシンプル&スマートで心地よく、しっかり食事するもよし、ワインをメインに軽くつまむもよしと、西麻布辺りに出かけるような気分。

写真のワインはスタッフと相談しつつ、全て地元ビクトリア産のものをバイ・ザ・グラスにてオーダー。ヒット連発で、ピノ・グリージョ、シャルドネ、ピノ・ノアール、サンジョベーゼ、デザートワインと、脈絡なくスイングしまくった。

45 Flinders Lane Melbourne VIC 3000tel: +61 3 9650 1445 http://cumulusinc.com.au/

街の中心フリンダースストリート駅から数分の徒歩圏。オープンは17時から24時(金曜・土曜は16時~1時)。同じビルのカフェ&レストン『CUMULUS INC.』は7時(土曜・日曜は8時)から23時までオープンなので、朝食、ランチ、お茶もOK!